加齢黄斑変性
加齢黄斑変性とは
加齢黄斑変性は、加齢に伴い黄斑に障害が生じ、見えにくくなる病気です。近年増加中の疾患で、米国では失明原因の第1位となっており、日本でも失明原因の第4位です。加齢性黄斑変性は「萎縮型」と「滲出型」の2つに分類されます。
滲出型は新生血管と呼ばれる、新しくも脆い血管が網膜の下にでき、そこから漏れる成分や血液が黄斑に障害を与えます。
滲出型に対する治療は、抗VEGF療法(新生血管を鎮める薬を硝子体の中に注入する方法)が一般的です。
萎縮型は加齢に伴って、黄斑が委縮していきます。症状の進行は緩やかなため、急激な視力の低下はありません。萎縮型は、特別な治療方法はありません。
症状
- 中心部が暗く見える
- 中心部が歪んで見える
- 中心部が不鮮明に見える
- 中心部がかすんでぼやけているように見える
加齢黄斑変性の治療
硝子体注射(抗VEGF治療)
VEGFという新生血管の生成を促す物質の働きを抑制させる抗血管新生薬を硝子体内に注射し、新生血管を縮小させます。
硝子体注射は1回のみではなく、4週間ごとに3回の注射をし、その後は経過観察を行います。再発が見られた場合は再び硝子体注射を行うことがあります。治療を途中で中断すると再発のリスクが高まるため、医師の指示に従って治療を受けるようにしてください。
黄斑前膜
黄斑前膜とは
黄斑前膜は黄斑の前に膜が形成される疾患で、徐々に進行して視力に悪影響を与えます。
黄斑は網膜の中心に位置し、視覚に重要な役割を果たしており、黄斑に異常が生じると視力が著しく低下します。
症状
黄斑前膜は初期段階では症状がほとんどなく気付かないことが多いですが、進行するにつれて以下のような症状が現れることがあります。
- 視力の低下
- ものが歪んで見える
- かすんで見える
黄斑前膜の治療
硝子体手術を行い、黄斑前膜を網膜から剥がして除去します。追加で網膜の最も内側(硝子体に近い側)である内境界膜という薄い膜を剥がすこともあります。最後に網膜のしわを伸ばすために眼球内部に空気を注入しすることがあります。当院では、硝子体手術を日帰りで行っております。
黄斑円孔
黄斑円孔とは
網膜の中心部に位置する黄斑は視力を支える重要な部分です。黄斑円孔は、黄斑の網膜に丸い穴(円孔)があいてしまう病気です。黄斑円孔は中高年の方に発症しやすく、女性に多い傾向があります。
症状
- 視力の低下
- ものが歪んで見える
- 中心暗点(視界の中央が見えなくなる)
黄斑円孔の治療
硝子体手術を行い、網膜の表面にある内境界膜という薄い膜を剥がし、最後に眼球内部にガスを注入します。術後は、ガスが円孔部分からずれないように、しばらくうつ伏せの姿勢を保つ必要があります。これを行っていただけないと、再手術が必要になる確率が高くなります。
当院では、硝子体手術を日帰りで行っております。